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オレオレ詐欺系固定電話詐欺(対象者-高齢者や独居老人)
オレオレ詐欺は日本ではロングラン、長期型の詐欺で、警察や自治体も広告やテレビ、ラジオ媒体でのCM(コマーシャル)などで大々的に啓蒙(けいもう)活動を促進して全国的に注意喚起を促していますが、まだまだ騙されてお金を渡してしまう被害者が後を絶たないようです。しかも実際に詐欺を働いて利益を得ている詐欺集団はほとんどがピラミッドのヒエラルキー(組織の権力構造、階層システム)で構成されており、トップの上層階にいるオーナーまで届かず、逮捕されないようになっていて、一番下層階級の受け子と呼ばれるバイトの学生や若者のみが警察に逮捕されることがあっても上層階の真の詐欺経営陣とは接触すらしておらず、名前すら知らないことから’とかげの尻尾切り’とさえ言われています。誰しもが被害者になりうる詐欺ですが、対処法も多く、まず、’自分は絶対大丈夫’と思わずに’誰しも被害者になる’と考え、対処、対策を講じることがとても重要です。人間は誰しも極度に緊張状態が続くと気持ちが動揺して冷静さを失い普段通りの行動が出来ず、パニックに陥ったり、詐欺師に動揺したこころを操られてしまっていることに気が付かなくなってしまいます。そんな誰もの’こころのすきま’に詐欺師は忍び寄り、付け込むのです。
大正🦉ばあちゃん:
ばあちゃんはガラケー携帯じゃからだいじょうぶじゃ。コンピューターもスマホもようわからんしのう。昔は☎電話は大きかったんじゃぞ。とても貴重での、村に一台くらいしかないこともあったから村中のもんが村の偉いさんやら長者さんやらの家にある☎黒電話を使わせてもらったもんじゃ、なつかしいのう。ダイヤル式でピカピカでのう、ダイヤルを廻すととぅるるるっと音が鳴ってなぁとても緊張したもんじゃよ。
PCやスマホをあまり使わないばあちゃんでも詐欺に合う可能性はあるので気を付けてくださいね。有名な’オレオレ詐欺’系の、家の固定電話を悪用する詐欺は長年いろいろと手を変え品を変え進化したり、凶悪化したりして続いています。
昭和🐧さん:
ばあちゃんの家には’オレオレ詐欺’撃退機能が付いた固定電話を設置してますよ。親戚、家族、お友達の電話番号や携帯電話番号をすべて入力しておくと、それ以外の不明の電話番号から入電が入るとそのまま留守番電話へ繋がります。人は急に起こった事には心理的な緊張下でパニックになる傾向が強く、そういった弱い状況を詐欺師はすかさず利用して突いて来ます。そこで一息つける一瞬の’間’があるだけで、ある程度パニックを和らげ、冷静になることも可能だそうですよ。またパスワードをファミリーのあいだで決めてます。’オレオレ’とか’ぼくぼく’’助けて、事故っちゃって’など誰か不明の電話には例えばばあちゃんにも覚えやすく分かる、”山やま!”と言えば”川かわ!”(古いぞ!)と返すとか、どんなに急いでいても必ず本人が’🐧だけど’と名乗るとかです。
多くの’オレオレ詐欺’系の固定電話詐欺は留守番電話を嫌う傾向があります。詐欺集団も声など証拠が残る行為は避けるからです。高齢のお年寄りからなけなしの生活費や年金を盗もうなんて許せない弱いものいじめの悪質な犯罪行為です。われわれには簡単で当たり前なことでも高齢者のおじいちゃんやおばあちゃんには気が付かないことや分からないことがたくさんあります。若いみなさんがちょっぴり詐欺を予防する対策を講じてあげると安心して生活が出来ますね。
特殊詐欺=ご存じオレオレ詐欺の凶悪化型詐欺ーアポ電詐欺強盗が怖い!
2003年頃から各地で模倣犯が相次ぐ、オレオレ詐欺の強盗版、”アポ電詐欺”が東京都内で増加傾向にあります。2019年2月には最悪の結果の強盗殺人事件にまで発展してしまいました。東京都江東区在住の80代のおばあちゃんがこの”アポ電詐欺”強盗殺人の悲しい被害者になってしまいました。犯人3人組は街のCCTV(セキュリティーカメラ・サベーランスカメラ)に映り込み、のちに
逮捕されましたが、なんとも卑怯で残酷な手口の事件で世間を震撼させました。
この逮捕で見えて来た詐欺グループの詐欺の仕組みですが、最近は世間がオレオレ詐欺に気を付けていること、オレオレ詐欺電が入ると警察に連絡する人が増えたことより、警察に目を付けられやすい、受け子や出し子と呼ばれるアルバイトが警察に逮捕され、詐欺組織のトップまで芋づる式に逮捕されることもあり、それを恐れた詐欺組織が考えた巧妙な手口です。まず掛け子と呼ばれるアルバイトに電話させ、会話の内容からその家にいくらくらいの現金があるかをうまく聞き出し、ある程度の現金が家にあると確認すると直接その家に強盗に入るというものです。
昭和🐧さん:
去年イギリスでも世界的に有名なコンサートホールの殿堂Wembley Arena(ウエンブレーアリーナ)のある地域で若い強盗グループがわざわざ90代のおばあちゃんの在宅中に強盗に入って、おばあちゃんの顔や全身を殴って金品を奪った事件がありました。夕刊に顔が紫色に無残なまでに腫れあがった顔が第一面に載ってロンドン市民を震撼させました。無防備な90代のおばあちゃんをボコれる神経、精神状態って何?状況によっては相当の処罰と再教育がこの若者たちには必要です。卑怯極まりない悪党です。日本も核家族化が進んでおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住んでいる子供が少なくなったと思うの。お年寄りが生活の中にいると思いやりのある子が育つのよ。この若者たちだっておじいちゃんおばあちゃんと住んでる子ならおばあちゃんを殴るなんて考え持てないと思うわ。ほんとうに残念です。
詐欺から強盗へ、強盗から殺人へと悪循環で移行して行く背景には何があるのでしょうか?🐧がお話していましたが、家族構成の変化もあると思われます。核家族化でおじいちゃんおばあちゃんを、お年寄りを良く知らない子供たち、核家族化で増える独居老人、家族間のつながりの希薄性など社会環境の大きな変化に忍び寄り、虎視眈々(こしたんたん)と隙を突く(すきをつく)詐欺組織は逮捕をしてもまた生まれて来るのが現況です。また東京都江東区のアポ電詐欺強盗殺人事件で逮捕された3人組の一人がキャシュカードすり替え詐欺にも関わっていたことも判明しました。
特殊詐欺ーキャシュカードすり替え詐欺とは?
キャシュカードすり替え詐欺とは言葉の通り、あなたの本物のキャシュカードを偽物のキャシュカードにすり替えて本物のキャシュカードを騙し取り、あなたのたいせつなお金を引き出すという特殊詐欺の一つです。アポ電詐欺同様に東京都内や全国の都市部に集中して増加傾向にある詐欺です。
まず掛け子(電話を掛ける人)が固定電話や携帯に有名なデパートを名乗って電話を掛けて来ます。”〇〇デパートですが、お客様のカード情報等が盗まれてしまったようです。どこの銀行口座をご利用でしょうか?カードを元にお客様の預金をすべて引き落とされる危険がありますのでお客様のお使いの銀行員を至急ご自宅に向かわせますのでしばらくお待ちください。”この会話の中でもあなたがどの銀行を利用しているか、どんなカードを利用しているか、預金残高、もちろん氏名、住所、生年月日などの個人情報も巧妙に盗み取ります。
偽銀行員がご自宅に到着すると、申請書のような紙に氏名、生年月日、住所、勤め先やメルアド(メールアドレス)、口座番号、暗証番号などあらゆるあなたの個人情報を記入させ、あなたの印鑑や実印までも巧妙に押させ盗み、その書類の本体を偽銀行員が、コピーはあなた用で、親切に封筒まで用意されていて、その書類のコピーと一緒にあなたの情報が漏れた可能性があるカードを入れて下さいと促されます。そのすきにカードを偽物とすり替え、本物のカードを盗みます。そして偽銀行員は銀行で支給新しいカードを作成しますので新しいカードが届くまでこの封筒を大切な場所に保管して、絶対に中を開けないで下さいとあなたに告げて立ち去ります。この後の展開はもちろん、すり替えた本物のあなたのカードであなたの預金を引き下ろす、です。
人間はパニック状態、緊張状態に弱い生き物です。特に私たちの国、日本は年間を通して自然災害に見舞われ、被害に遭ったり、被害者が知り合いにいたり、強いストレス下で日々暮らしている強い民族です。こういった詐欺の被害に遭いやすいのは、ひとがいいだけではなく、日々のストレスがより一層自然災害等で不可されているためにパニックや強い緊張状態に陥りやすいからなのです。その国民的な盲点を突く、刺激するのが詐欺師たちです。
重要なのはどんなことがあっても(あなたの家で急に1億円が出没したので銀行に行くより来てもらう方が安全な場合を除く)例えば宝くじが当たっても銀行から支払われるので銀行員は家に来ません。銀行員が国債や公債を薦めたり、あなたが巨額預金者でもない限り、銀行員は家に来ません。ましてや訪れた銀行員がその場であなたに個人情報ダダ洩れの書類を書かせることはありませんし、封筒にカードを入れて中を見るななんて絶対に言いません。逆にあなたのカードに何か問題のある時は必ず、”カードをハサミ✂で切って捨てて下さい”というはずです。このような特殊詐欺被害は年間で356億円相当です。356億円ですよ?凄い人数の方々がまだまだお金を騙し取られているんです。
地域の交番のおまわりさんや自治体が詐欺についての予防や対策を啓蒙していることもあります。耳を傾けてみましょう。一度話を聞いておくと何かあやしいと感じた時に相談もしやすくなります。テレビで地域のご老人に詐欺に対する注意喚起を一軒、一軒巡回してお話をしていた警官がなかなかお話を聞いてもらえないのでネコ署長を連れて巡回したらお話を聞いてもらえるようになったお話を聞いたことがあります。残念ながら現在はネコちゃん、職を解かれたようです。
詐欺集団に狙われないために出来る対策
高齢者のオレオレ詐欺の対策を家族や親類がしてあげる
留守番電話設定、ファミリー内のキーワードを決める
電話ではお互いに名前を名乗り合う
なるべく留守番電話にする
緊張したり、パニックったり、慌てた時に一息つく、深呼吸する
ひとりで判断せず、誰かに話し、相談する または確認する
自分は騙されないと考えない
他人事と思わない
備えあれば患いなし
まとめと🐧おまけ
特殊詐欺のほとんどが100%固定電話(携帯電話含む)から始まります。悲しい😢時代になりましたが、一番の予防策は”電話に出ない”ことです。在宅でもまず留守番電話に任せることが重要です。本物の家族や知り合いならメーッセージを残せます。家族と確認したら電話を掛け直せばいいだけです。詐欺組織は留守番電話にメッセージを残すことは絶対にしません。証拠を残す行動は絶対に避けます。
あやしい、話がうますぎるはやはり現実ではありません。君子危うきに近づかずです。最近はオレオレ詐欺対策を講じた留守番電話が販売されています。おじいちゃんおばあちゃんは設定の仕方がわかりません。お孫さんはぜひ次回おじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに行ったときにでも’家族の名前が出る’設定をしてあげてください。名前の出ない番号には出ないこと、留守番電話に任せること、教えてあげてくださいね。
🐧おまけ
最近では日本もイギリスも公衆電話と家の固定電話は減りつつありますね。固定電話はインターネット回線のために持っている人も多いでしょう。スマートフォン、携帯電話の普及によるものですね。科学の進歩も詐欺の進化もみんなが手を取り合って助け合いましょう。固定電話にすぐ出られない世の中は悲しいけれど、身を守るためには頭を新しく切り替えて留守番電話にお任せする習慣を。電話に出なければオレオレ詐欺は成立しませんから。詐欺が進化するなら私たちも進化して賢くなりましょう。騙されないようにしましょうね。
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