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イギリス、ロンドンでは様々なウォーキング(散策)ツアーや歩く同好会があります。平日の夕方には地域を変えては味わい深いイギリスのパブを廻る会や、英国最恐の連続殺人鬼ジャック・ザ・リッパ‐など殺人鬼の曰くのある場所を廻るツアーなどいろいろです。週末になるとロンドンを散策する会は数多く存在します。
ロンドン市民はMeetUpミートアップを通して興味のある交流会や同好会のイベントに参加する意思を連絡するだけでほぼ簡単に参加可能です。ミートアップとはイギリスでは日本のジモティーのような役割を持つ地元に特機したソーシャルネットワークプラットホームです。
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ウォーキングに参加してみた
平日は忙しさにかまけ、週末は溜まった洗濯や掃除に時間が割かれ、日々の疲労からソファでぼーっとしては終わってしまう繰り返しです。しかし、もう八月も下旬、秋はあっという間に来て、長く寒い冬がやって来る前に老体に鞭を打ってウォーキング同好会に挑戦してみることにしました。ミートアップにログインして、週末のイベントを検索すると、エッジウエアロード・パディントンからパディントンベズンを通り、リトルベニスをくるっと廻ってリージェンツ運河を抜けてカムデンマーケットまでゆっくり散策と言うイベントを見つけ、これに決めました。
早速オーガナイザーのGazさんに参加の意思をメールで伝え、2019年8月24日の散策に申し込みをしました。数時間後にはGazさんから’楽しみにしています’とウエルカムメールが届きました。参加人数は24名とのこと、期待が高鳴ります。
当日前の準備
8月中旬は25℃前後と比較的過ごしやすい日が続いていましたが、24日から4,5日は30℃まで上昇するとの予測があり、天気予報では最高温度が29℃と高い(ロンドンでは高い方です)予想です。ですから明日の用意は熱中症対策を考えて持参するものは以下の通りです。
日本の100均で買ったジェルパッドの入った冷たい首巻き
E-bay(イーベイ)で買った水で濡らすと冷たく感じるタオル
250mlの水と500mlの麦茶
脱水症状時にお水に混ぜるだけで経口補水薬が作れるもの2包
万が一の靴擦れ用にバンドエイド
抗菌性ワイプ
塗り直し用のUVクリーム
UVリップクリーム
ウォークマン
日よけ帽子
サングラス
履きなれた靴
Edgeware Road Station エッジウエアロード駅前 11時半集合
長年イギリスに住んでいても、中身はしっかり日本人、11時頃に到着です。もちろん、誰も居ません。駅にあるカフェでお茶をしてもいいかなと思いましたが、トイレが無さそうなので、ここはウォークマンで時間を潰そうと思います。
ロンドンは公共交通機関の遅れや週末の道路工事などを考慮してなるべく30分前には到着出来るように家を出る癖がついています。日本のようにきちんとしていないのでどんなとんでもないことが起きるかわからないので、何事も余裕を持って対処する習慣が身に付きます。
11時15分頃、かわいい女の子が’ミートアップの待ち合わせですか?’と声を掛けて来ました。19歳のイタリア人です。就活のために3ヶ月英語を学びに来ているそうです。シシリー島から来ているのでロンドンは大きすぎると言っていました。彼女と話しているとオーガナイザーのGazさんを始め、観光や短期留学にヨーロッパ圏から来ている若者層が10人ほど、インド系イギリス人が数名、老若男女のイギリス人10名足らず、日本人1人の20数名が集まりました。遅れている方を待って、最終的に歩き始めたのはほぼ12時近かったです。(これがイギリスです)今回はわたしのように初めての参加者が5名ほどでその中で74歳のおばあちゃんが参加していましたのでいつもよりゆっくりめにウォーキングが始まりました。
エッジウエアロードEdgwareRoadからパディントンベズンPaddington Basinへ
エッジウエアロード駅を出発して右手にMarks & Spencerマークス・アンド・スペンサー(スーパーストア)を通り、大きな交差点をHilton Metropoleヒルトン・メトロポール(ホテル)の玄関側に渡ります。ヒルトンの真横を通って一つ目の細い道を越え小さなアーケードを通り抜けるとパディントンベズンに続く初めの拠点が現われます。大きなビルの合間に池のようなものが見えます。丁度RoyalMail(郵便局)の裏手になります。右手にCo-opが見えますのでそちら側を池(溜め池)に沿ってずっと真っ直ぐ歩いて行きます。右側にレストランなどが見え、しばらくすると噴水が出て来ます。涼しげな噴水を通り抜けると左側に船着き場やボートが数隻見えて来ます。右側に道なりに曲がって行くとレストランやスーパーストアがたくさん集まる、パディントンベズンに到着です。
そこからリトルベニスに続く歩道がCanal運河沿いに続いていますのでまだ多少続くレストランを通り抜けると運河が広がって来ます。思ったより広く、運河の真ん中には小さな島のようなものもありました。ボートを利用したレストランやリトルベニスからリージェンツ運河、カムデンまでボートで廻るツアーもここから出ています。シシリー島から来たイタリア人の女学生さんはヴェニス(ヴェネツィア)でもバイトをしていたことがあるそうですが、ヴェネツィアの美しさを知り尽くしている彼女でさえ’美しい’とスマホで写真をいっぱい撮っていました。
鮮やかな青い橋を上がり、また下がり、くるりと周り、運河の反対側から見る風景もとてもきれいでした。
小さなステップを数段上がると左側に道路が出て来ます。その道路の反対側に渡り、しばらく歩いて行くと左側にまた運河が見えて来ます。遠目に運河の真上にカフェが見え、カフェ越しにエッジウエアロード(大きい道路)も見えます。この辺りは一度来たことがあるので、ふだんバスで行き来しているエリアをこんなに歩いたのか?とちょっと疲れが出ましたが、周りのみなさんによると、まだまだ”Half way’半分だそうです。
リトルベニスLittle Veniceからリージェンツ運河へ
運河の上に立つカフェ(道路側にも面している)から信号を銀行側に渡り、真っ直ぐ住宅街を歩きます。
しばらく行くとまた運河が右手に現れてきます。運河を右手に歩いて行くと遠くにLissonGroveCentre(リッソン・グローブ・センター、ウエストミンスター地区のアダルトエデュケーションサービス)の赤レンガのビルが見えて来ます。この辺りの運河は居住区のため、高い柵が掛けてあります。運河を真近で見られるのはパディントンベズンからリトルベニスの期間、リージェンツ運河からカムデンマーケットの期間です。大きな道路(Lisson Groveリッソングローブ)を渡ると鉄格子の扉に’Regent’s Canal'(リージェンツ運河)とあります。その扉を開けて入ると左側に運河があります。リージェンツ運河に到着です。
この時点で慣れたみなさんは全然平気そうですが、私と74歳のおばあちゃんの足にはすでにガタが来ていました。運動をしていない、平日は一日300歩もあるかない生活なので(座りっぱなしでおしりが痛いのですが)一万歩歩けば足が相当痛くなると言う経験が過去にあります。おばあちゃんもふだんは買い物に出る以外、歩くことは無いそうで、何ともこのあとが心配な二人です。
リージェンツ運河からロンドン動物園LondonZooの裏手へ
ここはかなり自転車や片足スクター乗車の方も通りますので気を付けて下さい。避けるのに運河に落ちる人も実際いるそうです。この辺りではカヌー体験教室もあり、カヌーの上に載って涼しそうに運河を滑って行く人達を今度は右手に見ながら進んで行きます。お金持ちの大邸宅も多く、映画にでも出て来そうな御殿が並ぶエリアでもあります。ここまでおよそ45分ゆっくり歩いて参りました。おばあちゃんとわたしはお互いに”Are You OK?’大丈夫?と声を掛け合いながら、足腰が痛い、もうダメかも知れないと弱音を吐きつつも背中をポンポンと叩き合い、頑張り続けました。履きやすいECCOエコのババ靴を履いて来たのにも関わらず、足はかなり痛かったです。それでもグループはどんどん前に進んで行き、おばあちゃんもわたしも時折り設置されているベンチで休むことも出来ませんし、置いて行かれたら、道もわかりません。お互いに今休むときっともう二度と歩けなくなると励まし合い、歩きました。グループの中には初めて参加ではありませんが、かなりお年寄りの方もいらっしゃいましたが、歩くことに慣れている様で若者たちと同じペースで歩かれていました。流石です。グループのみなさんがもうロンドン動物園まで歩いたねと会話をしていましたが、そんなこころの余裕がない状態でした。右側に’キリン’の看板と、左側に大きな’おサル’ケージがあったのは覚えています。今でもあるのかわかりませんが、学生の頃、カップルがロンドン動物園に行くと別れるという噂がありましたが、どうなったんでしょう?
リージェンツ運河から最終目的地カムデンロックへ
右に運河、左に壁と言う感じですが、カムデンに近くなってくるとカラフルな落書きがたくさん現われて来ました。捨てられているのか、ベンチとして利用されているのかわからないソファも何となくアートに見えてしまうのはカムデンだからこそだと思います。
おばあちゃんとわたしは落書きを見て、カムデンマーケットは近いとより一層お互いを励まし合いながら必死で歩き続けました。運河もボートや船を停めるように広がりを見せて来ました。たくさんの観光客が運河の脇に座り、カムデンロックで売られる軽食を食べています。人通りもいっぱいになって来ました。
日本で言う石造りの太鼓橋系の橋を疲れて痛い足と腰を引き摺るように運び、やっと橋を上り、下がり、カムデンマーケットに到着です。おばあちゃんとわたしは’Well done, you! We made it!!’よくやった、到着したとハグ(抱き合うこと)し合いました。日頃の運動不足がたたり、人でいっぱいのカムデンマーケットを見る余裕はありませんでした。
歩き通したら自分にご褒美をと考えていたので散策グループのみなさんにそれぞれさよならをし、’えぇ?これからみんなでランチ市内の?’と言われましたが、また今度と手を振り、私の’ミートアップで散策にさんかしてみた’体験が終了しました。13時半でしたのでおよそ1時間と30分のウォーキング体験でした。とても疲れました。歩数で行くと一万2千歩くらいでした。
ウォーキング完歩のご褒美
カムデンマーケットでみなさんとお別れし、右方向にカムデン駅を目指します。人、人、人、スゴイ人だかりです。なかなか前にササっと進みません。さすがに週末、土曜日の人だかりです。普段は3分ほどで行けるところ、5分強掛かって駅まで来ました。
Camden Townカムデンタウン駅を左に見て、ParkWayと言う道を右に曲がり、3,4分真っ直ぐ歩いて行きます。今日のご褒美は日本料理’下賀茂’さんです。知ってはいたものの、今回が初めてのお店です。もう痛いを通り越して熱い足を引き摺りながら、ラストオーダーを調べて置かなかったので必死に歩きました。’OPEN’の字を扉に見た時の喜びは一瞬身体の辛さを忘れました。扉を押して、’ひとりです’と伝え、奥の席に通されました。日本人の親子連れとアジア人の親子連れが二組、イギリス人の親子連れ一組、私のようなお一人様の男性がビールを美味しそうに飲んでいました。昼から豪勢にすき焼きを食してるカップルから漂ういい匂いが疲労困憊の自分に少し癒しを与えた気がします。
今日の日替わりランチは豚キムチ定食、先月家で作って食べたので、今日は豚かつ定食に決めました。おろしポン酢、とんかつソースの2種類のタレ付き、お新香、小鉢(ひじき煮)、ごはんと味噌汁、なかなか美味しかったです。久しぶりにカルピス(英語ではCowPissカウピス・牛の尿と聞こえてしまうため、こちらでは代わりにカルピコと呼ばれます)とデザートに黒ゴマアイスクリームを食し、£19(2461円位税込、サービス料込)でした。ミートアップのウォーキンググループへの参加費£2(259円位)バス往復£3(389円位)で合計£24(3110円位)でした。
まとめ
翌日筋肉痛に襲われましたが、ロンドンには散策に適した美しい風景がたくさんあります。ひとりではなかなか重い腰が上がりませんが、グループに参加して一緒にウォーキングを楽しむのもたまにはいいものだと感じました。またバスは1時間以内なら£1.50で何度でも乗車出来ますので乗り換えもOKです。Oysterオイスターカードを作ると便利です。一度行き方を覚えれば何度でも一人で行くことも出来るし、家族や友人がロンドンを訪問した折にちょっと連れて行くにも便利です。様々な人々と交流出来るのも楽しみのひとつです。イタリア人の彼女のように英語で会話をするために参加する方もいます。ロンドンを一緒に抜け出してスコットランドやヨーロッパ圏まで旅行するグループもあります。ロンドン市民はよく利用するツールですのでまだお試しになっていらっしゃらない方には是非おすすめです。
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