イギリス生活

グローバルウォーミングで悲鳴のイギリスやフランスの猛暑事情と対策

フランス猛暑熱波

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年々暑さが異常に上昇しています。グローバルウォーミング、地球温暖化現象を重きに思わなかった世界のリーダーシップを取るべき大国アメリカが地球温暖化を考える京都プロトコールから脱退し、世界でこのシリアスな環境問題に一緒に取り組んでいくはずが軌道を大きく外れてしまいました。中でも一番真剣に地球温暖化対策に取り組んでいたのがフランスでした。そのフランスが環境問題で苦しめられることになるとはあまりに残念で心から同情します。

2019年6月パリで初の40℃超え

昨年2018年は日本でも35℃超えの暑さを記録し、遠く離れたイギリスで数日起こる30℃近くになる真夏日を何とか乗り越えながら日本の35℃超えの酷暑報道に驚嘆を覚えました。そして2019年今年は6月にパリで40℃超え報道に唖然としました。イギリスでも7月に37℃超えを初めて経験してビックリしました。熱波ヒートウェイブが屋内に籠もったためか翌日は気温が27℃まで下がったのにも関わらず、同じような強烈な暑さを感じました。気象予報ではこの数年のうちに40℃を超えた地域は45℃、50℃と上昇する可能性があるとみる専門家もいて想像も出来ない将来的な自然環境の猛威に愕然とするだけです。人の体温が40℃を超えると体内の熱発散やコントロールが出来なくなるのに、外気が既に40℃を超えている状況とはどんなものなのか、予想もつきません。もともと暑い国で知られるIndia(インディア インド)やPakistan(パキスタン)では50℃を超えるHeatwave(ヒートウェイブ 熱波)が6月から始まり、36名の方がお亡くなりになっています。地球がSF(Science Fictionエスエフ サイエンスフィクション)のように人間が住めなくなる環境になっているのでしょうか。

個人的にフランスは大好きな国で毎年ちょこちょことユーロスターが安売り(ロンドン‐パリ片道£39とか)をしていたり、格安チケットがあるとパリ、ニース、マルセイユ、リヨンとお気に入りの都市に出掛けます。パリは何度言っても新しい発見があり、知らない細い道をゆっくりと散策するのが大好きです。その土地、土地でお気に入りのレストランやお店があります。美味しいものの宝庫です。それが去年辺りから、夏が蒸し暑くなっていること、でも冷房が完備されている宿が少ないことも起因して足が遠のいてしまっています。

イギリス、フランスの一般家庭にエアコンは…無い

日本とイギリス、フランスとの違いはエアコンがあるかないかが一番大きな問題です。四季のある日本は夏の暑さと冬の寒さを考えて、各家庭にエアコンが普及しています。また日本は冷房が完備され公共の施設や乗り物の電車や地下鉄、バス、商業施設、オフィスビルなどは一旦中に入れば肌寒いくらい冷房が効いています。

イギリスやフランス、ヨーロッパの各国ではもともと夏は暑くなっても数日から数週間と短く、バスや電車や地下鉄などは寒さの厳しい冬に備えた防寒の設備は整っていますが、暑さ対策などありません。家々も暑さのために建築がされていないために風通しが悪く、窓を開けても入って来た風が通り抜けることが出来ない家屋がほとんどです。日中の照り返しで家屋が熱を溜め込み、唯一購入出来る扇風機を使う以外に暑さ対策などありません。特に冷房のないバスや地下鉄に乗車したことのない方はわからないかも知れませんが、例えば外気30℃で密室状態で無風のバスや地下鉄の中はまるでサウナなのです。体感温度はプラス5-10℃で35-40℃です。尋常でない嫌な汗が流れ、身体に熱が籠もり、気分が悪くなります。一部の地下鉄や電車を除いてはほぼ冷房は完備されていません。地獄そのものです。最近は大手のスーパーマーケットやブランド店、デパートなどは冷房されていますが、小さい店舗ではエアコンを取り付けることなく、店舗用の大型扇風機を店舗内に数台設置してなんとか暑さをしのいで商売しています。暑い日に冷房のない熱気が籠もりきった窓のない店舗で20分買い物をするだけで異常に汗をかき、体力を消耗してしまいます。この店舗で8時間労働している店員さんたちのことを思うと不憫(ふびん)に感じずにはいられません。

6月40℃超え、7月45℃超えと記録を更新するフランス

フランスでは6月に初めて40℃を超え、7月には45℃を観測する地域までありました。7月のパリは42℃でした。また8月にも熱波がやって来る可能性が高いらしいです。フランス政府も国民もエアコンと言うアイデアには懸念があり、もしエアコンが浸透して行ったら各家庭のエアコンによる消費はより一層の地球温暖化を生むかも知れないと考えているようですが、今後45℃、50℃と上昇して行く可能性が将来的にあるのであれば、環境問題を考えることはもちろん尊敬に値し素晴らしいことですが、インドのように実際に死者が出るほどの熱波であれば命を守るための冷房対策を考えて行く必要に迫られる日が来るかも知れません。本来は同じ地球に住んでいる人間が国と言う境を超えて話し合い、一緒に対策を講じ対処して行かなければならない大きな問題なのですが、今後どのようになって行くのでしょうか。

大正🦉ばあちゃん:昔は冷房なんてなかったのう。でも夏は今よりは風が通って涼しかった気がするのう。団扇(うちわ)や扇子(せんす)しかなかったのう。

昭和🐧さん:去年は32℃の日に2時間だけ外出した際にHeat Stroke(ヒートストローク 熱中症)になってそばにいた親切な女性に介抱されたの!30℃強が毎日続く日本の夏は住めない もう少しで家だったからちょっと無理して早めに歩いていたら、くらーっときて足から崩れるように倒れたの。たまたまその女性が元看護士さんで近くの冷房の入ったお店に事情を告げてお水のボトルを手渡されしばらく涼んでね、30分くらいで良くなったけど、もし一人で道端に倒れてたらと思うとゾッとするわ。それ以来、経口補水液の素バッグに入れてるの。早めに対処を心掛けてる。

ロンドンの熱中症・脱水症に経口補水液の素

イギリスで熱中症と言う言葉が報道され始めたのはここ2,3年のことですから日本のように便利な経口補水液やゼリーなどは売っていませんが、下痢などの症状で脱水状態を起こした人のために経口補水液を作るパウダーが小袋で売っています。だいたい6包くらいが一箱に入っていて200㎖のボトルに経口補水液のパウダーを1包入れて混ぜるとインスタント経口補水液を作ることが出来ます。Rehydration Treatment Sachets(リハイドレーション トリートメント サシェ)と呼ばれ一箱£2くらいで薬局で購入出来ます。目安としては小さな水のボトルが250㎖なので軽く一口飲むと200㎖程になります。🐧さんのようにいつも携帯していると便利ですね。また脱水の症状が出ている時は逆に一度に大量な水を摂取してしまうと体調不良を起こしかねませんので、汗で失った塩分と水分の両方を補うためにスポーツドリンクや経口補水液を飲むことが好ましいのです。カフェインの入った緑茶やウーロン茶は利尿作用がありますので避けて、カフェインを含まない麦茶、ルイボス茶などを飲んでこまめに給水することが大切です。

昭和🐧さん:37℃の日と翌日は扇風機フル稼働でしたよ。でも扇風機の前を離れたら汗がじとーっと滴り落ちる。。。冷感ジェルマットが大活躍でした。 でも朝起きるとジェルマットが暖かくなってるの、びっくり。 外出時には日本で買ったひんやり冷たい首巻きと濡れタオル(水に濡れるとひんやり感じるタオル)とお水を携帯してまーす。

パリではこんな洒落た注意喚起とアドバイスが

◎ティータオルなどを水で濡らして冷蔵庫で冷やし、熱が籠もってきたらクビ周りを冷やそう 冷たいシャワーを頻繁に浴び、鍋にでも冷水を張って足を冷やそう
◎泳ごう 血液を冷やすのに一番の方法は水に浸かること  でもセーヌ川での水泳は危険なので厳禁だ  公共のプールは大混雑だけど、パリ市内には池や泉があるから足を冷やすことくらいは出来そうだ  エッフェルタワー近くのトロカデロの泉は子供にも大人にも大人気だよ
◎冷房の良く効いた図書館や美術館で席を探し、閉館時間が来てつまみ出されるまで本でも読んで涼しく過ごそう
◎冷房の効いたスーパーマーケットでいつもより念入りにゆっくりと特に涼しいフルーツコーナーや冷凍食品売り場で体温を下げよう 特に熱波の日には有効だ  冷凍グリーンピースにどれだけの種類があるか調べる良い機会になるからじっくり過ごそう
◎水分補給をこまめにしよう 冷たく冷やしたロゼワインやアルコールは利尿作用があるので不向き、水、水を飲みましょう
◎直射日光を避けよう。ダンスをするなら日陰で、日蔭側を歩こう
◎傘を携帯しよう お上品なヒラヒラレースの傘じゃなくて太陽光線を遮る傘をを差そう
◎猛暑の時間帯は屋内で過ごそう 窓を閉め、カーテンやブラインドを下げて直射日光を遮断しよう えっ?と思うだろうがその方が熱が屋内に籠らない
◎地下に行こう 地下鉄は屋外よりずっと気温が低い、でも冷房のない地下鉄の電車内は地獄だからプラットホームで涼風を感じよう
◎もっと深く地下に潜ろう  パリの秘密のクールスポットのひとつはカタコンブ、パリ集団地下墓地だ  カタコンブの地下はほぼ15℃、外気が35℃の日は天国である

昭和🐧さん:ロンドンでは冷房の効いた図書館はほぼありませんね。残念!大手のスーパーマーケットさんは冷房付きで天国なの。お風呂に少し水を張って置くのも有効ですよ。朝冷たい水を張っておいて、夜帰ってから触ってみると気化熱効果で驚くほどぬるく変化してるかな。 特に日当たりの良い家や部屋はカーテンやブラインドをしておかないと、直射日光に何時間も照らされて、家や部屋の中に熱がどんどん籠って熱帯部屋化。カーテンが引いてあるだけで、かなり違うので試してみて。あと髪も日光や紫外線でパサつくから帽子や日傘(日本以外あまり差してるのを見たことないけど)大事だわ。麦わら帽子、いいかも!買おう! 何で今まで買わなかったんだろう? あ、風が強すぎて飛ばされるからだ!!それにしても足を冷やすものが’鍋’’って。。。ふつうバケツとかじゃない?
カタコンブは別の意味でも冷え冷えと感じるかもね? 

40℃など人間の体温以上の危険な気温の日には

冬寒くなるとマフラーを首に巻きます。実はこれ、とても科学的なのです。人の首には日本の太い血管、大動脈が通っています。体温を保つと言うことは身体の表面の温度を保つのではなく、血液の温度を保つのが一番効果が早いのです。冬に起きるヒートショックを防ぐのに暖かい寝室から寒いおトイレへ行く際には首だけマフラーをして体温を下げないようにすることで多くの場合防ぐことが出来るそうです。寝起きのおトイレは面倒ですが、マフラー巻いて行くだけで体温の急激な下降を防ぎますのでお試し下さい。

同様に熱が籠もって体温を下げられなくなっている身体に一番有効なのは血液を冷やすことです。血液の温度が冷やされると体温が下がります。冷たいタオルを首に巻くことは体温を下げる有効な手段です。冷やした水や飲み物を首筋の左右の大動脈へくっつけて冷やすのも効果的です。熱中症になりそうな猛暑の日は乾いたタオルやハンカチで汗を拭くより、ぬれタオルをお薦めします。乾いたタオルは身体が調整して放熱を促すために汗を出し、その水分を乾かすことで放熱をしています。急に汗をすべて拭き取ってしまうと身体が熱を外に出せません。濡れタオルなら汗を拭き取った後タオルで冷やされる時に放熱し、拭いた時の水分でまた熱を外に出すことが出来ます。
かき氷やガリガリ君など冷たいものを食べると体感温度がマイナス3℃も下がるそうです。熟してしまったバナナや残ってしまったパイナップルなどを一口サイズにカットして冷凍しておくと便利です。血管を冷やしながら食べられます。

まとめ

世界中で異常気象による異常気温により熱中症を発症して病院に搬送される人が急増しています。もう気象災害だと提言する専門家もいます。それと共に最新の熱中症対策も急ピッチで進められ異常気象でも外で働く人々を守るハイテク機器も数々生まれています。空調服(外で作業する人のための小さい扇風機が風を送風するジャケットタイプの服)やヘルメット用麦わらバイザーヘルメットと麦わら帽子の合体)、ズボンクール(ズボンの中を涼しくする小型扇風機)、シャツクール(背中の襟下に小型扇風機が付いていて背中を涼しく保つ)など様々な対策グッズも販売されています。100均で購入できる首クール(水で膨らむ保冷剤を利用して首周りを冷やす)や冷凍用熱さまシートなどもたいへん重宝します。自分の生活形態にマッチしたグッズを賢く使って暑さ対策を講じながらこの暑さを乗り切って下さい。
特にカラッと猛暑ではなく、高湿度のジメジメ猛暑日は息苦しさもあり、呼吸が浅くなることもありますので、エアコンの涼しい風の下で深呼吸をして涼しい空気を身体や脳に送り、冷却をするとスッキリ、サッパリします。1ℓの水のボトルを凍らせて部屋に置くと部屋の気温がおよそ10%下がるそうです。目安としては6帖の部屋に2ボトルだそうです。凍ったボトルが溶けて結露が出来る時に熱が気化熱として奪われることで室内の温度の減少を期待できるそうです。熱帯夜に使えそうなアイデアですね。

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